「僕のマリー」から10年、沢田研二は「勝手にしやがれ」で1977年の音楽賞を総ナメにし、大衆音楽のキングの座に着いた。沢田はまるで魔法をかけるように、与えられた楽曲を独自の存在感のみで大衆に受け容れさせたのである。それはロック・シンガーとして古典的なボーカル・ ...